調整機構セッティング
セッティング調整
オーリンズショックアブソーバーを装着していても、車両や積載荷重、路面状況やシチュエーションによって適正なセッティングがされていないと100パーセントのパフォーマンスを発揮することができません。オーリンズショックアブソーバーには様々な調整機構が搭載されています。これらを理解し使いこなすことであなたのモーターサイクルライフはより快適に楽しいものとなるでしょう。
1. どのような調整機構が搭載されているか確認しましょう
まず、同梱されているMounting Instructions(取付説明書)をよく読み、お買い上げのショックアブソーバーにはどこにどのような調節機能が装備されているのか確認しましょう。モデルによって搭載されている調節機能、搭載箇所が異なります。
Spring preload adjuster
スプリングのプリロード量を調整できます。スプリングが縮み始める荷重を設定します。
Rebound damping adjuster
伸び側減衰力を調整できます。ショックアブソーバーが伸びる動作速度を減衰力によって調節することができます。
Compression damping adjuster
圧縮側減衰力を調整できます。ショックアブソーバーが縮む動作速度を減衰力によって調節することができます。
Length adjuster
車高を調整できます。車体姿勢を調整できます。
2. 標準設定値を確認しましょう
続いてMounting Instructions内に記載のSet-up Data(セットアップデータ)を確認しましょう。ここに記載されている数値がオーリンズが推奨する“標準設定のセッティング”となっています。もしセッティングに迷ったらこのセッティングに戻して改めてセッティングしてください。車両への取付の前にこのセッティングになっているか確認しましょう。
Spring preload
スプリングに掛けられたプリロードの数値です。スプリング自由長からセット長を差し引いて算出します。
Rebound damping
伸び側減衰力調整のクリック段数です。右回り(ネジを締め込む方向)に締め、止まった位置から逆方法(ネジを緩める方向)に何クリック戻すという数値となります。
Compression
圧縮側減衰力調整のクリック段数です。右回り(ネジを締め込む方向)に締め、止まった位置から逆方法(ネジを緩める方向)に何クリック戻すという数値となります。
Shock absorber length
ショックアブソーバーの全長と車高調整の調整範囲です。その数値を基準にプラスまたはマイナスで表記されている範囲でショックアブソーバーの全長を変更できます。
3. 適正な車体姿勢への調整
車両への取り付けが完了したら。スプリングプリロードを調整して空車時と乗車時の車体姿勢を調節しましょう。
空車時と乗車時の車高を計測する
1. 車両をワークスタンドに載せ、ホイールを地面から離してサスペンションをフリーにしてください。
2. テープなどでリアホイールアクスル上のポイントにマーキングをしてください。
3. マーキングしたポイントからホイールアクスルまでの距離を計測してください。(R1)
4. 上側のトリプルクランプ下からフロントホイールアクスルまでの距離を計測してください。(F1)
5. 車体を地面に置き、サスペンションを馴染ませた後、前後同様にポイントからアクスルまでの距離を計測します(R2, F2)
6. 装具一式を装備した状態で、通常のライディングポジションで乗車してください。その状態で同様に計測してください。(R3, F3)
7. 各計測値から計算し、その数値がオーリンズが推奨する基準範囲に収まるか確認します。
Free sag (R1-R2),(F1-F2)
Rear 5-15mm
Front 20-30mm
Ride height (R1-R3),(F1-F3)
Rear 25-35mm
Front 30-40mm
計測値から算出されたそれぞれの数値がマウンティングインストラクションまたはオーナーズマニュアル(取扱説明書)に記載されている数値の範囲内となるようにスプリングプリロードを調整しましょう。もし、乗車時車高が推奨範囲から著しく外れる場合はスプリングレートの変更が必要な可能性があります。お買い上げいただいた販売店にご相談ください。
4. 各部の調整の方法
Mounting Instructionに記載されているSet-up Dataを基準としてタイヤや路面状況などシチュエーションに合わせてセッティングをチューニングしましょう。
スプリングプリロード
スプリングをシリンダー付近で止めているのがプリロードアジャスターです。モデルによってホース式のコントローラーやビルトインタイプのプリロードアジャスターが装備されています。その他は主にダブルナットもしくは樹脂スクリュー付属のシングルナットタイプとなっており、付属のツールを使用して調整します。
リバウンドダンピング
主にエンドアイブラケット付近(TTXはリザーバータンク上部)に設置されています。右方向で締め込み、止まったところから左方向へカチッカチッとクリック音と共に緩めていきます。この調整によってショックアブソーバーが伸びる動作速度を減衰力によって調節することができます。
コンプレッションダンピング
主にリザーバータンク上部に設置されています。右方向で締め込み、止まったところから左方向へカチッカチッとクリック音と共に緩めていきます。この調整によってショックアブソーバーが縮む動作速度を減衰力によって調節することができます。
車高調整機構
エンドアイブラケット上部にロックナットが装着されているモデルは車高調整が可能です。
ロックナットを緩めてからエンドアイ本体を回し調整を行います。1周で1mm変化します。